俺様男子と同居中。

波乱の高校生活開始

☆side翔☆


　春休み明け、１日目。

　うまそうな臭いにつられて目が覚めた。いつもと違う朝の景色に一瞬戸惑ったが、段々目が覚めてきた。

　昨日はあの後色んな誤解を親から受け結局香宮雨美との正式に婚約が決まったんだった。って別に誤解って訳でもないか？俺が手を出してたのは事実だし。

　しかも俺と雨美の親はどうやら常識というものが無いらしい。

　昨日婚約が決まった後にすぐ案内されたのがこの家だ。ここに二人で住めという。俺はともかく、あっちの両親は一人娘が心配では無いのか？いい年の男が一緒だぞ？良いのか。昨日のあの嬉しそうな反応を見ると。

　この家は一応雨美の家の敷地内にある。しかも結構でかい。さすがは親父さんが大企業の社長ってだけはある。

　俺はここに住むことになんの意義も無いんだが、雨美は慌てながら猛反対をしていた。まぁ、それも両親に結局根負けしたんだが。

　ためしに一緒の部屋で寝るか？なんて半分冗談で言ったら、雨美は顔を真っ赤にして俺を睨みつけながら「結構です！」と言い捨て部屋に逃げていった。でも睨むのが上目使いになっていて、恐いっつーかどっちかっていうと可愛かった。


　そんな感じで昨日の出来事をなんとなく思い出すと、ベットから起き上がり、リビングに下りていく。

　そこでは雨美がキッチンで朝食を作っていた。

「よう」

　後ろから軽く声を掛けると、雨美は一瞬驚いたのかビクッとして振り返った。気のせいか顔が少し赤い。

「あ、お、おはよう」




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表紙・目次

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