俺様男子と同居中。
 ・・・・・・・こいつ気づいてないのか?見てるのは女子だけじゃなくて男子も多数いるんだぞ?確かに女子は俺の事を見ているのかもしれないが、(自覚)男子が見てるのは確実に雨美な訳で。いや、俺の方も見てる。「なんだあいつ」みたいな恨みがましい視線で。

 もしかしてこいつ自分がモテてることすら気づいてない??

「すごいねー。翔君て男の子から見てもかっこいいのかな?男の子もあんなに見てる、納得はできるけど、それにしてもすごいね」

 気づいてない!天然だ。

 ん?ってか今納得はできるって言った?それって?

「何?俺の事かっこいいって思ってたの?」

 思わず苛めたくなってニヤリと笑いながら問う。

 その言葉に雨美は一気に真っ赤になる。耳まで真っ赤だ。

「そ、それは違くて・・・・」

「何がどう違うんだよ?」

 わざと顔を近づけて言う。こうすると雨美がさらに慌てるのは計算済みだ。だって反応が面白くってさ。

「そ・・・・・それは・・・・・・・」

 と雨美がめちゃくちゃ困っているところで昇降口の前まで来た。そこにはクラス割りが張り出されている。

 雨美は逃げる口実が出来たとばかりに見に行く。が、人垣が出来ていて雨美の人よりも小さめな身長では到底見れなさそうだ。

 俺は雨美に近づいてひょいっと持ち上げた。雨美を。

「え、ちょ、な、何するの!?」

 雨美はじたばと抵抗するが、そんなの俺はお構い無しだ。

「良いから、これでお前も見えるだろ」

「だからって・・・こんな恥ずかしい事しなくてもっっっ!」

「その大声が余計目立つぞ。お、同じクラスじゃねーか」

「嘘!??」

「なにか文句でも???」

 雨美を下ろす。



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