俺様男子と同居中。
「な、無いです・・・・・」

 その言葉に俺は軽く笑うと雨美の手を引いた。

「ほら、行こうぜ」

「う、うん。」


☆ー☆ー☆

 入学式が終わり、クラスの全員が教室に入り席に着くと、担任が入ってきた。若い女の教師だ。・・・胸でかいな。細フレームの眼鏡が良く似合っている。

「初めまして。みんな。私がこの1-Dを受け持つ事になった川島透夏(カワシマ トウカ)だ。ちなみに26歳独身。知り合いで格好良いお兄さんとかがいたら是非とも紹介してくれ!」

 どっと笑いがこぼれた。どうやらユニークな先生らしい。

「それじゃぁ、みんな一人ずつ名前を呼ぶから返事をして軽く自己紹介をしてくれ。一番、秋田幸一--------------」

 名簿の最初の方から順番は回ってきて、雨美の順番がきた。

「えっと・・・香宮雨美です。よろしくお願いします」

 雨美は少し照れた様に微笑んでシンプルに自己紹介を終えた。がずだったが違った。男子からすごい量の質問がきたからだ。

「はい!香宮さん、趣味はなんですか!!??」

「え・・・・、料理が好きです」

「はいはい!じゃぁ・・・・・」

「ストップ。香宮が困っているだろう。そこまでだ」

 止まることを知らない質問は担任の一声で消火され、再び次の人に代わる。

 雨美は少しほっとしているようだった。かなりあの男子どもがムカつく。俺のものに手を出すのは許さねぇよ?

 そんなことを考えている内に俺の番が回ってきた。
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