混沌のグリモワール~白銀の探求者~
報告を聞いたグレアム、そして近くに待機していたリリィは疑問の表情を浮かべる。
「Aクラスの魔力壁なんて、私は対峙したことがないです」
「俺も久しく出会っていないな。しかし、Aクラスともなるとまずはその魔力壁をなんとかしないと決定打は与えられない」
グレアムは二十メートル先のアダマンタイタス、そしてそれに対峙するコーラルを見つめ、通信機で指示を出した。
「やむを得ん。コーラル、1STリミッターの解除を許可する。フリッツはコーラルの援護。二人で対象の魔力壁を破壊しろ」
「了解!」
グレアムの言葉に二人揃って返事を返すと、それぞれ通信を切る。
「俺が時間を稼ぐ。その間にコーラルはリミッターを解除。いいな」
「了解。無理すんなよフリッツ」
フリッツは一度コーラルに笑いかけると、すぐさま表情を引き締めてアダマンタイタスとの距離を詰めた。
もちろんアダマンタイタスがそれを簡単に許すはずもなく、向かってくるのは右足による迎撃。
フリッツはその場で急停止し、ピナカを地面に対して垂直に突き立てた。
フリッツの体から溢れ出すのは黄色の魔力光。
それはフリッツの愛槍であるピナカに収束され、前方に巨大な魔法陣を発生させる。
中級防御呪文(プロテクションスペル)の一つ、『プロテクトウォール』
アダマンタイタスの右足がプロテクトウォールに直撃。
双方の魔力が反発し、火花を散らす。
双方一歩も引かない押し合い、威力は互角。
しかし、フリッツは一人ではない。右前足を蹴り上げている今、軸足となっている左前足に接近する影が一つ。
コーラル・ケイリュオンだ。
「イクシード! 1ST(ファースト)リミッター解除!」
『イエス。1STリミッター解除します』
「Aクラスの魔力壁なんて、私は対峙したことがないです」
「俺も久しく出会っていないな。しかし、Aクラスともなるとまずはその魔力壁をなんとかしないと決定打は与えられない」
グレアムは二十メートル先のアダマンタイタス、そしてそれに対峙するコーラルを見つめ、通信機で指示を出した。
「やむを得ん。コーラル、1STリミッターの解除を許可する。フリッツはコーラルの援護。二人で対象の魔力壁を破壊しろ」
「了解!」
グレアムの言葉に二人揃って返事を返すと、それぞれ通信を切る。
「俺が時間を稼ぐ。その間にコーラルはリミッターを解除。いいな」
「了解。無理すんなよフリッツ」
フリッツは一度コーラルに笑いかけると、すぐさま表情を引き締めてアダマンタイタスとの距離を詰めた。
もちろんアダマンタイタスがそれを簡単に許すはずもなく、向かってくるのは右足による迎撃。
フリッツはその場で急停止し、ピナカを地面に対して垂直に突き立てた。
フリッツの体から溢れ出すのは黄色の魔力光。
それはフリッツの愛槍であるピナカに収束され、前方に巨大な魔法陣を発生させる。
中級防御呪文(プロテクションスペル)の一つ、『プロテクトウォール』
アダマンタイタスの右足がプロテクトウォールに直撃。
双方の魔力が反発し、火花を散らす。
双方一歩も引かない押し合い、威力は互角。
しかし、フリッツは一人ではない。右前足を蹴り上げている今、軸足となっている左前足に接近する影が一つ。
コーラル・ケイリュオンだ。
「イクシード! 1ST(ファースト)リミッター解除!」
『イエス。1STリミッター解除します』