混沌のグリモワール~白銀の探求者~
そんなイクシードの言葉に、コーラルは少し表情を曇らせる。
「なぁイクシード。お前は俺がガキの頃からずっと一緒に戦ってきた相棒だ。俺にとってはお前だって大切な家族なんだ。だから、『ただの機械』だなんて悲しいこと言わないでくれ」
『マスター……』
話しながら、コーラルはイクシードの刀身にオイルを塗り終える。
ウェーバーによって鍛えられてからどれほどの月日が流れたかもわからない今でもその刀身は美しい光沢を放っている。
「まぁ心配すんな。俺にはやらなきゃいけないことがある。少なくともそれを成すまでは死ぬつもりなんてないよ」
『……安心してください。あなたは私が必ず守ります』
「うん、頼りにしてるよ。さて、明日も朝から訓練だしそろそろ寝ないとな」
『そうですね』
ランジェスターの趣味なのかは知らないが、ランジェスターの作品に搭載されたAIはすべて女性として設定されている。
AIにはそもそも睡眠欲というものが存在しないのだが、コーラルはイクシードを同じ人間として、一人の女性として扱っている為、任務後の夜はイクシードもしっかりと自分のベッドに寝かせている。
同じベッドに男女が二人。イクシードを本当に人間の女性として捕らえるならかなり問題があるようにも思えるのだが、そんなことはコーラルもイクシードも気にしていない。
なぜなら、二人は家族だから。
『おやすみなさい、マイマスター』
戦士達の休息。夜は静かに更けて行く。
「なぁイクシード。お前は俺がガキの頃からずっと一緒に戦ってきた相棒だ。俺にとってはお前だって大切な家族なんだ。だから、『ただの機械』だなんて悲しいこと言わないでくれ」
『マスター……』
話しながら、コーラルはイクシードの刀身にオイルを塗り終える。
ウェーバーによって鍛えられてからどれほどの月日が流れたかもわからない今でもその刀身は美しい光沢を放っている。
「まぁ心配すんな。俺にはやらなきゃいけないことがある。少なくともそれを成すまでは死ぬつもりなんてないよ」
『……安心してください。あなたは私が必ず守ります』
「うん、頼りにしてるよ。さて、明日も朝から訓練だしそろそろ寝ないとな」
『そうですね』
ランジェスターの趣味なのかは知らないが、ランジェスターの作品に搭載されたAIはすべて女性として設定されている。
AIにはそもそも睡眠欲というものが存在しないのだが、コーラルはイクシードを同じ人間として、一人の女性として扱っている為、任務後の夜はイクシードもしっかりと自分のベッドに寝かせている。
同じベッドに男女が二人。イクシードを本当に人間の女性として捕らえるならかなり問題があるようにも思えるのだが、そんなことはコーラルもイクシードも気にしていない。
なぜなら、二人は家族だから。
『おやすみなさい、マイマスター』
戦士達の休息。夜は静かに更けて行く。