混沌のグリモワール~白銀の探求者~
三節 青年の誓い
確保した二人の男と、保護した少女を連れてヘリが止まっている村のはずれまで戻ると、コーラル以外のメンバーはすでに全員集合していた。
「遅かったじゃねぇかコーラル」
「ちょっと色々あってね……」
グレアムの隣に立っていたリリィも、コーラルの元に駆け寄ってくる。
「ねぇコーラル、その子どうしたの?」
コーラルの左腕にしがみつく少女を指差すリリィ。
土で汚れた白いワンピースを纏った少女は随分とコーラルに懐いている。
「おいおいコーラル、生意気に美少女をお持ち帰りかよ」
「そんなんじゃないよ。こいつらに追われてたところを保護した。それだけ」
魔力で作ったロープで縛っていた二人の男を隊長であるグレアムに引き渡すコーラル。
ヘリの近くには十人ほどの男達が同じようにして拘束されている。
「隊長、こいつらの持ち物からこの少女の写真が出てきました」
「つまり、対象の狙いはこの少女だったということか」
「恐らくは」
グレアムは数秒思考した後、再び口を開く。
「とりあえず、狙われていた以上は危険が及ばないよう保護する必要がある。キミもそれで構わないか?」
少女は一度コーラルを見た後、首を縦に振った。
「御主人様と一緒にいられるなら」
その瞬間、時が止まる。
――――――
「御主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
リリィとフリッツの表情が驚愕の色に染まる。
グレアムも表情こそ崩さないものの、内心は驚いていることだろう。
コーラルは冷や汗を流しながら、弁解するのは大変だろうな……と、一つ大きな溜め息を吐くのだった。
「遅かったじゃねぇかコーラル」
「ちょっと色々あってね……」
グレアムの隣に立っていたリリィも、コーラルの元に駆け寄ってくる。
「ねぇコーラル、その子どうしたの?」
コーラルの左腕にしがみつく少女を指差すリリィ。
土で汚れた白いワンピースを纏った少女は随分とコーラルに懐いている。
「おいおいコーラル、生意気に美少女をお持ち帰りかよ」
「そんなんじゃないよ。こいつらに追われてたところを保護した。それだけ」
魔力で作ったロープで縛っていた二人の男を隊長であるグレアムに引き渡すコーラル。
ヘリの近くには十人ほどの男達が同じようにして拘束されている。
「隊長、こいつらの持ち物からこの少女の写真が出てきました」
「つまり、対象の狙いはこの少女だったということか」
「恐らくは」
グレアムは数秒思考した後、再び口を開く。
「とりあえず、狙われていた以上は危険が及ばないよう保護する必要がある。キミもそれで構わないか?」
少女は一度コーラルを見た後、首を縦に振った。
「御主人様と一緒にいられるなら」
その瞬間、時が止まる。
――――――
「御主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
リリィとフリッツの表情が驚愕の色に染まる。
グレアムも表情こそ崩さないものの、内心は驚いていることだろう。
コーラルは冷や汗を流しながら、弁解するのは大変だろうな……と、一つ大きな溜め息を吐くのだった。