【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
なのにそれが出来ないあたしはやっぱり意気地なしなのかな?
「じゃあな」
ガタンと席を立って
あたしの目を見るわけでもなく
相変わらずの素っ気ない態度で
教室を去って行ってしまった颯太くんに
「待って!!」
つい出てしまった言葉がコレ。
「何?」
なのにやっぱり返って来たのはいつもと同じ
“何”
そんな態度されたら
「う、ううん、何でもないの。ばいばい」
これしか言えない。
「あぁ」
分かってるよ
颯太くんは楓くんみたいな男の子じゃないもん。
クールでクラスの子とはしゃいだりするような人じゃないもん。
分かってる、分かってるけど。
「分かんないよ」
確かめたいって言った。
頑張るっても言った。
でも
でもね。
もしデートの日にまであんな態度されちゃったら
あたしきっと・・
「颯太くん」