【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
クリスマスイブ
クリスマス。
それは一年に一度の一代イベント。
誰もがキラキラ輝くイルミネーションに
心を躍らせドキドキしながら
聖なる時間を過ごす特別な日。
そしてあたしも
生まれて初めて好きな人と過ごすクリスマス。
絶対に成功させたいって思うけど・・・
「どうしたの?亜依」
ふと横には大好きな虹那ちゃんの顔が入って来た。
せっかく高いお金を出して夢の世界に入ったのに。
あたしはずっと虹那ちゃんと一緒にいてもらってる。
だって
「何でいんの?」
待ち合わせの時間。
楓くんに引っ張られるようにして現れた颯太くんは
あたしを見て開口一番そう言った。
「ううん、何でもないの」
せっかくのクリスマスデートなのに。
「さっきの颯太の言葉だったら気にしない方がいいって。」
「う、ん」
気にしない
今までそうしてきたけど。
さすがにあんな事言われたら・・
くるりと数歩後ろを歩く颯太くんを見つめる。