【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~


楓くんが何か必死にお願いのポーズをしていて

颯太くんはそれを嫌そうに見ているだけ。



やっぱり・・あたしと一緒が嫌なんだよね。


だからあんな事・・



「それにしても凄い人だね~」


人が多いせいかスムーズに進まなくて。


あっちもこっちも人、人、人!!


アトラクションもいっぱい人が並んでるし。


ミッキーミニーにもいつもより人だかりが出来ている。


せめてもの救いは天気がいいことくらい。


「やっぱりクリスマスをここで過ごす人って多いんだね~」


特別な日には特別な場所で。


きっとみんなそう思ってるからここにいるんだろうなって

そう思えてくる。


「亜依」

ザワザワ騒がしい声にまぎれて聞こえた虹那ちゃんの声に
もう一度視線を合わせた。

「なに?」

「確かにさ、颯太の態度は悪いけど。
でも亜依の気持ちもちゃんと言葉にしないと
伝わらないよ」

それはまるで自分の事を言っているような

「気持ちは言葉にしないと伝わらないよ」

って意地っ張りなあたしが言える事じゃないけどね~なんて
続けるけど。


でも虹那ちゃんの言葉には説得力があって。


もう一度だけあたしにやる気を与えてくれた。



< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop