【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
こう時の虹那ちゃんは凄く大人だなって思う。
あたしよりいつも先の事を考えてて
そしていつも与えてくれる言葉は深い。
それは簡単なものかもしれないけれど
でも言われて改めて気付く事が多くて。
そのたびに
あたしはまだ子供だなって実感させられちゃう。
虹那ちゃんが友達でいてくれて本当に良かった。
こんな何の取り柄もないあたしと一緒にいてくれて
今心から嬉しいって。
「やだ、何泣いてんのよ」
「だってぇ~」
気が付いたらポロポロ流れた涙が止まらなくて
しまいには手で抑えられないほどになっていた。
「もう仕方ないな、トイレ行ってきなよ楓に言っておくからさ」
「う、うん」
ありがとう、それだけ言ってすぐ傍にあるトイレに向かう。
せっかくディズニーランドに来たのに。
これじゃあ楓くんと虹那ちゃんに申し訳ないよ。
混みあってるトイレで何とか鏡を見る事が出来て自分の顔を
確認しながら虹那ちゃんの言葉をもう一度思い出す。
そう、だよね。
自分の気持ち、ちゃんと言葉にしないとね
ちゃんと言おう!
それでもしダメなら?
うう、泣いちゃうけど・・
でもでも!
もうここでめそめそしない!
振られてから泣こう!
ブンブン頭を左右に振ってパンパンっと手で顔を叩く。
頑張ろう!
虹那ちゃんも頑張るって言ってたもん!
あたしも此処で頑張らなくちゃ・・ダメだよね?
化粧ポーチをバッグにしまい大きく深呼吸をしてトイレから出る。
あれ?