【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~


「そそ、颯太くん!?」


不機嫌な顔で腕を組みながらあたしを睨んでいる颯太くん。


「あ、ごめんなさい」


なるべく顔を見ないでそう謝る。


「あ、あの虹那ちゃん達は・・」


虹那ちゃんを捜すふりをしてとにかく颯太くんの顔を見まいと何度も
きょろきょろしてみると


「さぁ」


素っ気ない

優しさのかけらもない、いつもの颯太くんの返事。


さっき頑張ろうねって虹那ちゃんと約束したのに。


なのに・・


チラッと颯太くんの顔を見てみる。


すらっとした長身に

整い過ぎている顔立ち。

少し目にかかりそうな前髪が颯太くんの
キリッとした目に合っていて。


・・カッコいい。


やっぱりそう思っちゃう。




最初はこんなんじゃなかったのにな。


確かにクールだったし、
周りの女の子に冷たかったけど。


でも優しい所があって。


あたしも颯太くんの優しさに何度も救われた事があった。



あれは確かあたしが男の子に告白された時だったと思う。



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