【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~


その男の子の事を好きな女の子から
軽い嫌がらせを受けた。


しかもその子は同じクラス。


何かに付けて文句を言ってくるその子にあたしは何も言い返せなくて。



そんな時颯太くんが


「お前らさ、いい加減にしろよ。くだらない」


あのクールで何事にも興味なさそうな颯太くんがあたしの前に立って
そう言ってくれたんだ。


しかもそれだけじゃない


「お前もさ、はっきり言えばいいだろ?」


ちゃんとあたしの事まで叱ってくれた。



それから颯太くんの中身をどんどん知りたくなっていって


「付き合って下さい」


颯太くんにそう告白をした。




最初からうまくいくなんて思ってなかったけど。


やっぱり颯太くんはあたしの事、
何とも思ってなかったのかな?



だから今もあたしと話さないように少し離れてるのかな?



やっぱり確かめるなんて


無駄な事なのかもしれない。



これだったらもうあたし・・



「はぁ?何だよそれ!ちょ楓!!」


普段あまり聞き慣れない大きな声に
驚いて急いで視線を移す。


どうしたのかな?

楓くんの名前が聞こえたけど。


「アイツはめやがった・・」


クソ、と言いながら携帯を乱暴にたたんで
ジーパンのポケットに入れた颯太くん。

「今の電話楓くん?」

「あぁ。虹那と回りたいからお前ら適当にしとけって
ったくアイツ」


大きくため息をついた。











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