【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
颯太くん今・・何て言った?
「は?マジかよ」
何を喋っているか分からない。
もしかしたらあたしの聞き間違いかもしれない。
「そーそー楓のヤツに嵌められた」
聞き間違い、何かの間違いだよね?
あたし、耳おかしくなっちゃったのかな?
「これ以上二人っきりでいられるわけないだろ」
聞きたくない
これ以上聞いていたくない。
離れなくちゃ。
分かってるのに
どうしてかな
足が・・体が動かないよ。
そんな動けないあたしのバッグの中から
チャラチャラチャラ~♪
今のこの状態に似合わない明るいテンポの着信音が鳴り出した。
「あ」
見られたくない、今のあたしの顔。
颯太くんには見せられない。
「おい」
颯太くんが何かを言う前に体がようやく言う事を聞いてくれて
あたしは一目散に走り出した。