【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
やっぱりあたしはいつまで経っても片想いのままだったんだ。
あたし達・・両想いじゃなかったんだ。
普段の颯太くんのあの態度で
気付かなくちゃいけなかったのかもしれない。
颯太くんはあたしの事ほんとはなんとも思ってないって事に。
あたしはどこまでも馬鹿だよ
颯太くんの気持ちに今更気付くなんて。
「っく、ひっく、」
知るんじゃなかった。
颯太くんの手のあったかさを
知らなければ
不器用な優しさを知らなかったらあたし。
「もう戻れないよぉ」
今日の颯太くんがあまりにも優しいから
今までの颯太くんを思い出せないよ。
ポロポロ零れる涙は手だけでは抑える事が出来なくて。
手を伝ってどんどん下に落ちていってる。
もう前に何があるのか分からない。
ただ流れる人達の声の音だけが耳に入ってくるだけ。
「間もなくエレクトリカルパレード・
ドリームライツが・・」