【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
どうして?
どうして?
どうして?
そればっかり頭の中に浮かぶ。
「話があるんだ」
話?
あぁ、そっか。
お別れの話、まだしてなかったもんね。
「大丈夫、いくらあたしがバカでも
颯太くんの気持ち分かってるから」
何とか笑顔を作って見せるけど
でもやっぱり涙が溢れてきて。
さっきいっぱい泣いたはずなのに
それは止まる事がない。
「だい、じょうぶ。」
ダメだよ、これ以上颯太くんを困らせたら
あたし完全にウザイ女の子って思われちゃうよ。
「颯太くんの気持ち」
「オレの何を知ってるんだよ」
あたしと重なった颯太くんの声は少し怒り口調で。
「ご、ごめんなさい」
つい謝ってしまう。
でも
「でも颯太くん、あたしと一緒にいたくないんでしょ?」
自分で言ってて悲しくなるけど。
でも颯太くんがそう言ってたんだもん。
“アイツとこれ以上二人っきりは無理”って
「だからあたし・・」
「やっぱお前何も分かってない」
颯太くんがそう言うと
「え?」
ふわりとあたしを抱きしめた。