【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~
「はぁ~」
出るのはため息ばかり。
「きゃー!桜井く~ん!!」
「今日もカッコいいよね~!!」
廊下からは騒がしい声が聞こえてくる。
と同時にズキズキ痛くなる心臓。
颯太くんはあたしの彼氏・・なのに。
そう思いながらもひょこっと廊下を見てみる。
女の子達に顔を向けるわけでもなく
ただ颯爽と前を向いて歩く颯太くん。
カッコいいな・・なんて
彼女のあたしですらそう思う時がある。
というかいつも思ってる。
告白して
それで全て万事解決おめでとう
じゃ、ないんだよね。
きっとそこからスタートなんだ。
あたしはもうスタートしてるのに。
「は~~~」
分かんない、分かんないよ。
颯太くんの気持ちが。
さっぱり分かんない。
「仕方ないからあたしも行く」
虹那ちゃんからそう返事があったのはお昼休みも終わって
先生が教室に入って来た時だった。
仕方なく、そう強調していたけど。
何処か嬉しそうに話す虹那ちゃん。
その顔がとっても嬉しそうに見えるのはあたしだけかな?
そう思いながら午後の授業は頭の中で色々妄想を膨らませていた。