キミに愛を…
「陸兄、美咲ってあの美咲ですか?」
俺より6㎝背の高い葵が目線を下げて俺に聞いた。
「あぁ、そうだけど?」
「な〜んか裏がありそうな顔してますよねぇ…」
ボソッつぶやいて俺から離れた葵。
好きな女の子を悪く言われるのは、例え弟でも許せん!
「あのなぁ〜美咲は葵が思ってるような…」
「もう名前で呼び合う仲なの?」
喋ってる途中で葵に突っ込まれ慌てた俺。
「い、いや違うけど…」
「陸兄には真緒さんみたいな人が合うって僕は思うけど…」
葵の口から出て来た真緒の名前。
当然俺はビックリする。
「なんでそこで真緒が出てくるんだよ!っていうかいつの間に…」
“真緒と知り合ったんだ?“聞こうとしたのに、葵は
「じゃあご飯だから」なんていって出て行った。
年下のくせに妙に大人びてる葵。
良く言えばクール。
悪く言えば生意気。
冷静で頭のいい葵にいつもヤラレっぱなしの俺…。
やっぱ情けねぇ…。
でも美咲からのメールは、ヘこんでた俺のテンションもかなり上がった。
会いたい…か。
食事にでも誘ってみようかな?
俺ははやる気持ちを抑え、美咲にメールをした。