キミに愛を…



「君達さぁ…」



「陸兄は今日デートなんですよね?」



“浮かれすぎじゃね?”って突っ込もうとしたのを、すんなり葵にかわされた。


「あぁ。そうだよ」



「結局どこにしたの?」



とキッチンの方から潤兄が聞いてきた。



「お台場でイタリアンにしたよ。
鍋とか魚は苦手らしいよ」



「はぁ?そんなんじゃ結婚できないじゃん!
我が家の名物は『鍋』なんだから!」



お玉を片手にエプロン姿の潤兄がリビングにやってきた。



潤兄…、アナタもか…。



「結婚って…。大袈裟だよ」



まぁ、最初苦手って言われた時はビックリしたけど。



「イマドキの若い子ってそうなの?」



いやいや、潤兄も十分若いですよ!?



キッチンからは潤兄の十八番のキムチ鍋のいい匂いがしてきた。



「そんなことないよ」



と俺がフォローすると、



「真緒姉はそんな子じゃないと思います」



と葵が言った。



おい!葵。



美咲が悪い子みたいに言うな!
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