キミに愛を…
玄関でサンダルからスリッパを履きかえていたら
「真緒、そういう服も似合うね」
なんて潤さんにサラリと言われてしまった。
「えっ、そうかな?」
言われ慣れない褒め言葉に思いきり照れる私。
「いつもはもっとカジュアルだよね?」
「あー、それは陸を送る時だけで…。
普段はこういう格好もするよ?」
ホントはいつもよりオシャレしたけど、そこは内緒にしてみた。
「そっかそっか!
こんなに可愛いのに陸は自分が潰れるせいでみれないなんてな〜。
もったいないよねー」
「……」
そう言って私の頭をなでる潤さんに口から心臓が飛び出そうになった。
この人はどうしてこうも女の子が喜びそうなセリフがポンポン出てくるんだろ。
計算してるって感じしないし、自分の心に正直なのかな…と思う。
自惚れてる訳じゃないんだけど、素直に嬉しいと思える。
潤さんの言葉に、私は陸が見たら何て言うか考えた。
『無理して女の子ぶるなよ』
とか言われそうだな…。