キミに愛を…
「真緒姉、こっちに座りなよ!」
リビングに入ると葵くんに呼ばれた。
『真緒姉』という呼びなれない言葉にくすぐったさを感じたけど、葵くんが私に親しんでくれてるからなのだと思って、何も言わずに受け入れた。
可愛いし…。
そんな事を考えていたら、翼くんと葵くんどっちが私の隣に座るかでもめ始めた。
「真緒は僕の隣!」
「翼兄はすぐ食べこぼすから潤兄と僕の間がいいと思います」
「あ〜!真緒の前でバラすなよ!!」
「まあまあ。2人の間に座ってもらえばいいじゃん?」
口ゲンカ(?)を始めた2人をキッチンから潤さんがなだめた。
「私も翼くんと葵くんの間がいいな!」
潤さんの援護をすると、2人は納得したのか私を挟んで座り、コップや箸やスプーンを交互に渡してくれた。
なんか弟が出来たみたいだな…。
「はぁ…。真緒が毎日来てくれたら2人とも手伝ってくれて助かるんだけど…」
って潤さんが言うと、
「「余計なことは言わなくていいから!」」
と2人がハモったので、私は大爆笑した。
潤さんは苦笑いしながらキムチ鍋を運んできて、テーブルの上にのせた。
「えっ!すごい!おいしそう!!
これ潤さんが作ったの?」
「ほら。やっぱり真緒姉は喜んでくれましたね!」
「え?やっぱりって?」
誇らしげにいう葵くんに私は聞き返す。
「さっき潤兄が鍋が嫌いだったらどうしようって、言ってたんです」
「私、鍋とか大好き!
家族団らんって感じがしていいよね!」
その言葉を聞いた潤さんは安心したように笑った。