キミに愛を…
「そ、それはみんなに気遣わせたくなくて、私から陸に『言わないで』って頼んだの!」
とっさに口から出た嘘。
もし陸にバレたとしても話合わせてくれるよね?
「じゃあさ、今度改めて真緒の誕生日会しよう!!」
どうやら私の説明に納得してくれたみたいでで一安心する。
「いいよ、翼。私これだけでも十分!」
「ダメだよ!
プレゼントも用意してないし、ケーキもおっきくないじゃん!」
「そうですよ。真緒姉はもう僕達の家族なんですから、ちゃんとお祝いしなくちゃダメです!」
みんなの気持ちに涙腺が緩みそうになった。
私はただ頷くだけしかできなかった。
今日は潤に誘ってもらえてよかった。
心からそう思った。
みんなで片付けをした後はゲームをして楽しんだ。
時計を見るともう11時を回っていた。
そろそろ帰ろうと準備をしていると、玄関から物音がした。
「ただいまー!」
「あれ?陸だ」
翼の『陸』という言葉にドキッとしてしまった。
なぜだか会うのが気まずかった。
もっと早く帰ればよかったな…。