キミに愛を…
陸の口からでたのは、私の望んでいた言葉ではなかった。
もう頭は真っ白。
いつかはこうなるって思ってたけど、まさか誕生日にだなんて…。
とんだ誕生日になっちゃたなぁ…。
世の中こんなものなんだ。
そんなことを考えていたら陸が心配そうに顔をのぞきこんだ。
いけない…。
陸に変に思われちゃう…。
「おめでとう!!ビックリして声も出なかったよ!
諦めないでよかったね!!」
私は陸の手を握って祝福した。
ちゃんと笑えてるかな…?
もう自分がどんな風にしてるかなんて何も分からなかった。
でも陸が嬉しそうな顔をして手を握り返してきたから、ちゃんと伝わったんだって安心した。
今日の私は嘘ばっかりついてる。
『よかったね』なんて、そんなこと全然思ってないんだよ?
そんな風に陸に笑いかけてもらうと苦しくなる。
ヤバい…、泣きそう…。
そう思って私が陸の手を離すと同時に、潤が私の手を握った。