キミに愛を…
「じゃあ俺は真緒を送って来るねー!」
そう言って潤は私の手を引っ張った。
突然の行動に焦った私は、カバンを手にすることがやっとで…。
「お、お邪魔しました!」
だけ告げ、潤に急かされるように玄関でサンダルを履いた。
後ろで翼の
「僕も送るー!」
という声や
葵の
「また来てねー!」
という声が聞こえていたけど、返事する間もなく玄関を出た。
陸の声は聞こえなかったけど、どっちみち今は顔なんて見れないけど…。
駐車場に向かって歩く潤の歩幅が大きく、合わせて歩いていたらサンダルを履いた足が少し痛んだ。
「潤!何か急いでるの?
私なら一人で帰れるから大丈夫だよ?」
そう話かけると、潤は立ち止まって振り返った。
「ううん、急いでないけど…。
……真緒、大丈夫?」
心配そうに私を見る潤。
てっきり足のことだと思った私は、
「大丈夫!」と笑顔で答えた。
潤は寂しそうに笑うと私の手を離し、助手席のドアを開けてくれた。