キミに愛を…
*Riku Side*
「あぁ〜頭痛てぇ…」
目が覚めると昨日の服のままで寝ていたことに気付く。
手で頭を押さえ、昨日のことをぼんやりと思い出し始める。
昨日は…撮影をして
取材があって…
打ち合わせのあと店に行って…
飲んで…の前に
…真緒に電話した…様な。
「陸、おはよー。お前昨日…」
潤兄が部屋に入ってきたと同時に、嫌な予感がした俺は、潤兄の言葉を遮った。
「ちょっと待って!
話なら後で聞くから…」
そう言って潤兄の横をすり抜けてバスルームに逃げ込んだ。
しっかり者の潤兄は、海外に住む両親の変わりに俺達弟の世話をよくしてくれる。
料理上手いし、家事はそつなく何でもこなすし、気は聞くし、女なら嫁さんにしたいくらいだ。
ただ…
説教が長い。
全部思い出せないのに説教されてもわかんないよ…
はぁ…俺何かやらしたのか?
冷たいシャワーを頭に浴びてみたけど、思い出せるわけでもなく…。
とりあえず俺は潤兄の説教から逃れる方法を考えながら着替えて部屋に戻ると…。
「げっ!」
潤ニィがベットに横になって本を読んでいた…。
俺の顔を見ると
「おかえり!」
とニッコリ笑った…。
もう逃げられない…。