彼女は天使。
先生に教えられた席に座り、隣に座る委員長さんに挨拶をします。

シルバーフレームの眼鏡に切れ長な目元が印象的な彼は委員長という役職にぴったりで、頭がよさそうなのも一目でわかりました。

きっと、クラスのみなさんにも慕われているのでしょう。

「俺は神澤涼、よろしくエンジェルちゃん」
「エンジェル?」
「あまつか、って天使って書くんだろ?だから、エンジェルちゃん」

彼、神澤涼さんはそう言って笑いました。

その日から、私のあだ名はエンジェルになったのです。

ですが、私はまだ知りませんでした。

彼のとんでもない本性も、

彼の企みも。

まだ、知らなかったのです。
< 4 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop