【短編】キミと、あたし。
「ははッ…。くれるの?」
口元に、軽く握った右手を添えながら
あったかくなる笑顔を見せてくれる。
「どうしよっかなぁ~」
それだけで明るくなれるんだよ。
「くれないの?
…なら、鈴原さんに貰っちゃおうかな」
………。
そう。
欲しいのはアミの作ったやつなんだね。
「アミの事、好きなんだ?」
違うと言って欲しかった。
焦らすあたしを焦らせるために言った冗談だと
そう言って欲しかった、のに。
「え!?バレてる!?」
耳まで真っ赤にして言うんだもの。
恋して失恋するまで、1時間も経たないなんて、
どんだけツいてないんだろう。