ないしょ事【短編】
年齢詐欺
『ただいまぁぁ!』
ウキウキとしたあしどりで家に帰ると、すぐに自分の部屋に戻る。
今日は待ちに待った2回目のデート!
制服を脱ぎ捨ててこの前買ったばかりのワンピースに着替える。
このワンピースは高校生の私にしては大人っぽ過ぎる。
でも私にはそのくらいがちょうどいい。
デートのお相手は31歳。
年上も年上。
私なんか17歳って言ったら
ガキとしか見られないから、
私は初めて彼に会ったときに
ひとつ嘘をついてしまった。
『23です。』
あいにく私は老け顔だから、
まず自分の歳を当てられたことがない。
制服を着ててもコスプレだと言われるほど。
23といっても誰も疑わない。
嘘をついたという気持ちよりも
こんな素敵な人に嫌われたくない
という気持ちが大きくて
今だに訂正出来ないでいる。