waiting on a gold chain
「俺、よく夢見るんだよね」
「えっ、どんな?」
「穴に落ちる夢」
「なにそれっ?」
「黒くポッカリ開いた穴の中に、ヒューっと落ちてく感じ」
「悩んでるんじゃないの?自分の気持ちが夢に出るっていうじゃん。何かでそう読んだことあるよ」
アタシは言った。

「そうかもなー」
「忙しすぎるとか?」
「それもだし、大人は色々あるのさ」
「ふーん」
「Jullyといると、不思議な気持ちになるよ」
「どんな風に不思議なのさ!?」
「言葉じゃ言い表せないよ〜」
「じゃあ、表せられる言葉が思いついたら教えてね」
「おうっ」

ここでキス。

「不思議」ってどんな?って聞いたくせに、アタシも不思議としか言えないような気持ちになった。

マサトの柔らかくて暖かい舌が、アタシに絡んでくる。心にまで。
すごくディープに返してもらう時の気持ちは、特別。







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