大嫌い[短編]
『なるほどね~…
姫香、それは拓也のヤキモチ。
そんでもって拓也が
姫香に何も話さないのは
恥ずかしいだけだよ。』
「ヤキモチ…?
恥ずかしい…?」
『そう、他の男に
告られたのが嫌だったん
だと思うよ、拓也は。
それにあいつ意外と
恥ずかしがり屋だから
自分のことはあんまり
話さないんだよね…』
「そ、うなんだ…」
私って案外拓の事
知らないんだなー…
結構知ってるって思ってた。
いつもはふざけて好きとか
言ってくるけど本当は
優しかったり、
心配してくれる奴で…
わざわざ毎日家まで
送ってくれるんだよね。
いつもにこにこしてるけど
私のくだらない話を
いつも真剣に聞いてくれて…
本当はいい奴なんだよね。
『姫香、
このままでいいの?』
「…いってくる!」
私は一生懸命走った。
大嫌い…
いや、大好きな人の元へ