Sweet×Sweet
はぁ…やっと終わった。

いつもは、チャイムが鳴り終わったと同時に

春菜があたしの机に来るけど、今日は来るはずもなく、

“もういいや”と思う自分もいた。

だって健のこと好き?って聞かれたら、

好きじゃないって言い切れないから。

最近、健を見る目が変わっていっていることに気づき始めた。

次の日もその次の日も、春菜達の嫌がらせは絶えなかった。

ある日の放課後、一人トボトボ歩いてたあたしの隣に

「一緒帰ろ」と健が来た。

あたしは、迷った。

春菜とも、嫌な関係になったから、いっそ開き直ろうかとも思った。

でも、幼稚園の時から仲良しだった

幼なじみの春菜を裏切ることはできなかった。

「ゴメン。無理」

「エっ?なんで?」

「なんでって、そんなの知らないよ!あたしだってこんな事本当は
言いたくないんだから!」

あたしに突き飛ばされた健は

少し驚いていた。

「なんなんだよ!何怒ってるんだよ。
嫌なことあったのかもしんないけど八つ当たりは良くないぜ!」

そう言って、健は去っていった。
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