優翔物語

私の決心がわかったのか愛美はいつのまにか居なくなっていた
「あのね…翔に大事な話があるの」

「なんだよ?」

「あのね……わ…」

「わ?」

「あの……別れよう?」

一回深呼吸をしてから床を見つめ言った
翔と私の間にしばらく沈黙が続いててそれは多分ほんの少しのはずなのにとてつもなく長く重く感じた

「優奈何言ってんの?俺よく意味が…」

「別れよう私たち」

下を向いたまま早口でもぅ一度言う
翔の表情はわからないけど足をガタガタ動かしてるからきっとイライラしてるんだと思う

「優奈…それ本気で言ってんのか?」

「本気だよ」

だんだん目の前の景色がぼやけてくる
泣いちゃダメだ
最後ぐらいいい女でいたいよ

「なんで?どうしてだよ」

翔が力なく聞いてくる

「そばにいるのが辛いの翔…もう私翔のそばにいる自信がない」

翔はかっこよくては男子からも女子からも人気があって優しくて
自慢の彼氏だった
でもその分怖かった

いつ愛想つかされるのか怖かった
いつか嫌われるんじゃないかってビクビクしてた
だから少しのことでイライラした
怯えてた
翔のそばは好きだけど







私には無理だよ



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