優翔物語

涙を止めたくて
上を向こうとしたとき
家の前に誰かいることに気がついた

誰?
もしかして

「翔?」

座っている人に
少し遠くから声をかけると
その人が勢いよく顔を上げる

「優奈!」

こっちを見たとたん
走ってきた
もしかしてずっと
ずっと待っててくれた?

「今日どうしたんだよ!
約束の時間になっても全然こないし
いや・・俺が勝手にいったんだけど」

どもりだす翔は
なんだか少し可愛く見えた

やっぱり待っててくれたんだ

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