優翔物語

ポツリポツリ話し出す私に
なんにも言わずに聞いてくれる愛美

「下の名前呼ばせたり、私よりその子優先したりさ・・・・・
それっておかしいじゃん?・・・やっぱ・・・私みたいな女じゃ・・・だめなのかな・・・っ
信じたかったのに・・・・っわたし・・・だけって・・・もぅ私だけなんだって」

話てるうちにまた涙が落ちてきて
それを拭う余裕なんてなくて
愛美は隣で頭を撫でてくれた

「・・・・翔君はさ優奈と付き合う前は結構遊んでたじゃん?女だってとっかえひっかえで来るもの拒まず去るもの追わずって感じで、一言で言えば超軽男て感じで・・・でも翔くん優奈と付き合ってから変わったって本当にそう思ったんだけどな。確かに最近女に囲まれてるよね。優奈が不安になる気持ちわかるよ?」

そう翔は私と付き合う前まで女をとっかえひっかえで浮気なんて当たり前
セフレだってそれなりにいたらしいし
それでも私だけだって言ってくれた
信用できないって言ったら自分の携帯を私の目の前でまっぷたつに割って
信用してって言ってギュッってしてくれた
付き合った次の日から女の子と必要以上に話さないようにしてくれた
だから信用するようになったのに
それもここ一週間でずいぶん変わって・・・

「優奈はどうしたいの?」
「・・・別れたほうがいいのかな?一緒にいると辛いの。
浮気してるんじゃないの、とか今日捨てられるのかな?とか」
「優奈がそうしたいならいいんじゃない?私は軽々しく別れなとか別れるなとか言えないよ」
「・・・・どうしよう」

答えなんてそんな簡単に出ない
本当に好きなんだもん
でも辛いんだよ

「これからずっと一緒にいて優奈は幸せ?翔くんのそばは安心できる場所?そう考えなよ」

幸せ?
なのかな・・・ずっと幸せになれるのかな
翔のそばに居て私って安心できてるの?

「ずっと幸せかどうかわかんない・・・でも翔のそばにいたら・・・不安になる。
いつか誰かに盗られちゃうんじゃないかってもしかしたら浮気してるんじゃって・・・」
「そっか・・・そんなに不安なんだね」

別れる
そのほうがいいのかな
今ならまだ引き返せる

そう心の隅で思う私がいた

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