花がつなぐもの
しかし、その恋も終わりを告げた。

彼が地方の大学に行くって事になり、離れ離れになっても、

想っている自信がお互い無かった。

楽しいだけの、友達の延長のような恋愛。

本気の恋愛ではお互いに無かったんだと思う。

好きで好きでたまらなかったら、離れたくないって思うし、

「行かないで」

とか、

「私も連れて行って」

などと、言葉が出るのだと思う。

だけど、私の口からその言葉は出てこなかった。

私には適切な言葉ではなかった。

それに、新しい道をお互い歩み始めたら、新たな出会いもあるだろうから、

高校生活の思い出としてしまっておこうという事で別れた。

今でもたまにメールするぐらい。

嫌いで別れた訳でもなかったので、友達という関係を続けていた。

こんな、短い文章で書き終えてしまえる恋だった。

多少、寂しさをひきずりながら社会人になった。

そして、社会人になったら、

大人の恋をしてみようと思った―――

きっと、今までとは違う恋愛が出来ると思ったし、

色々な出会いが私を待っていると思ったから。

大人の恋―――

まだ私には良く分らない分野だった。



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