花がつなぐもの
あっという間の店舗研修だった。

1つの店舗に新人が2,3人一緒だったりと、新人同士が交流を持てる機会でもあった。

それだけ新人が回されるというのは、忙しい店舗だという事も言えた。

新人には、知りあいがいない世界だから、同士がいるのは心強かった。

新人研修で2日間共にしていたので、新人同士は仲良くなっていたりもした。

そんな時、本店研修で一緒になった、瑞希と楓とは気が合い、それからも連絡を取り合う事になる。

瑞希とは、入社式で親しくなり、楓とは、この店舗研修で親しくなれた。

伊藤楓は、私と同じ年だった。

楓の家は、花屋をやっているらしい。

いわば、修業の身だというのだ。

もちろん、先輩方も優しかったけど、ど素人の私としては、安心できた。

そして、ゴールデンウィークを目前にした日、異動の通達があった。

中山美咲 千葉のぞみ店―――

私の住んでいるのは千葉県だから、近くを勤務先に選ぶのは当たり前かもしれないな。

そんな事を私は感じていた。

配属になるというのは、一緒に店舗研修をしていた同期の、瑞希と楓ともお別れという事だった。

瑞希と楓は、都内。私は千葉。

寂しい気がする。

それぞれ配属が決まれば離れ離れになるというのは分っていた事だったけど、

やっぱり寂しいよね。


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