花がつなぐもの
「俺たちでやってみま
しょうよ、真由さん」

和也が切り出した。

和也も大胆な事を言うなと私は思った。

「店長いないで出来る
かしら・・・。」

真由さんは不安そうだった。

私も、真由さんと同じ気持ちだった。

これは、とても大きな仕事だからだ。

だから、真由さんの不安になる気持ちが、私にはよく分かる。

注文を受けていたのは、宴会用のスタンド花、アレンジ、卓上とかなりの数が出るからだ。

それも、そのイベント自体が大きなもので、マスコミでも取り上げられる程のものだったからだ。

そこで会場内も注目されるからだ。

この大きな仕事に店長も、真由さんもかなり気合が入って準備してきていた。

そんな二人の姿をみんなも知っているはず。

だから、どう考えたって無理な話。

店長不在での準備は・・・。

「仕入だって、市場は
終わっているのよ。ど
うやって花を集めるのよ！」

真由さんは荒々しく言った。

「取り合えず、近い支店
から、店舗に連絡して
協力してもらったら
どうですかね？」

真由さんは、少しだけ考えていた。

「そうねえ・・・。」

「確かに、穴を明ける
訳にはいかない。」

真由さんはゆっくり呟いた。

「ちょっと、みんな、
時間をちょうだい。」

真由さんは、思いついたかのように、直ぐに電話を掛けた。

１件目は、コンベンションセンターに。

２件目は、本社に。

それから、私たちに指示を出した。



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