花がつなぐもの
時間は16:00を回っていた。

真由さんがそれぞれに指示を出した。

そんな真由さんに初めて私は会った。

今までの真由さんは、おっとりとした感じだったからだ。

「江口さんと、
美咲ちゃんは、
花の在庫調べて。」

「工藤君は、
つぼと、オアシスの準備
して、数はこれに書いて
あるから。」

みんな、圧倒されていた。

それぞれ素早く仕事についた。

真由さんは、計画していたデザインを出すと、色々と花材の準備をしていた。

私と江口さんは、在庫を調べると、記入した紙を真由さんに渡した。

「真由さん、
今の在庫の状況です。」

「ありがとう。」

続いて、真由さんから指示を受ける。

「この紙に書かれてい
る花の不足分を、各支
店に連絡して確保して
ほしいの。」

私は、江口さんと手分けして電話をした。

「あの、
千葉のぞみ店の・・・・・」

店長から話が通されていたようなので、話がしやすかった。

「店長、ありがと~」

それは、一緒に電話をしていた、江口さんも感じていたようだった。

「そうですか、
ありがとうございます。」

私は、江口さんに言った。

「今まで、
ここに来てからこんな
事ってありました?」

「始めてよ。
あ、主人に電
話しておこうかしら。」

江口さんもこの状況を楽しんでいるようだった。

きりきりしているはずなのに、どこか楽しいと感じてしまう。

『たのし~い~』

そんな喜んでいる場合ではない。



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