花がつなぐもの
それから、全員でアレンジを作ったので、2時間もかからないで終わる事ができた。

「みんな、お疲れ様。」

私たちはやりきった充実感で、笑顔でうなずいた。

まだ入社して3か月しかたっていない私と和也も、1人前に仕事ができた。

これからもっと、勉強しなければならないっていうのは分っているけど、

これも十分、勉強になった。

トラブルも解決できる。

みんなの力で解決できるんだって、そんな一つになれた喜びっていうのかな。

嬉しかった。

「さて、
こらから搬入に行きますか。」

和也が言った。

時間は3:00―――

「そうだな。」

店長は、本社から借りてきた車もあるので、2台で行こうと言った。

「そうですね、
そうしましょう。」

真由さんもそれに従い、車に完成したばかりの花たちを乗せた。

「これこそ、
嫁がせる気分かもな。」

店長が呟いた。

それほど、思い入れがあるのだと私は思った。

江口さんは店で休んでもらう事にして、私たちは出掛けた。

2台の車に、店長と和也がそれぞれ運転し、私と真由さんが分かれて乗り込んだ。

何故か、真由さんは和也の運転する車に乗り込み、私は必然的に店長の運転する車に乗り込んだ。

私は、意外な展開にドキドキしていた。

店長と2人きりで車に乗るなんて事は初めての事だったから。

『店長の隣だよ・・・。』



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