花がつなぐもの
「スタンド花は、
ステージの両脇に
設置して。」

真由さんの声が会場に響いた。

私たちは、真由さんの指示でスタンド花を配置した。

和也も、真剣な表情だった。

この会場に入っても、驚きもしなく、着々と仕事をこなしていた。

「意外と冷静
なんだね、和也はさ。」

私はスタンド花を両手に抱えて和也に言った。

「っていうか、
興奮してるんだよ、
俺。」

和也の気持ちも分かる気がした。

こんなに大きな仕事は、私と和也は初めてだったからだ。

店長もアレンジをステージに配置していた。

「もしかして、
このアレンジって・・・?」

店長のアレンジが、ステージに設置し終わり、離れた所から見て、私は気が着いた。

そのアレンジは、ステージの前のふちに、横1列に設置された。

設置してから、店長は手直しをしていた。

実際、会場に設置してから、会場に合わせて、花を直す。

私は店長のサポートしていた。

店長の傍で、店長の横顔をみつめていた。

店長は夢中で花を挿していた。

手直しが終わり、全体を見たくて、会場の中間まで私は下がった。

それは、遠くから見ると、華やかな花の上でコンテストが進められるような感じになっていた。

「凄い…。」

和也が、会場に飾ったらどんな感じになるんだろうって、さっき言っていたけど、

和也も、その全貌を見て、感激していた。
私も同じだった。

「このステージで、
決勝大会が
行われるんですね。」

「大人の女性だから、
ゴージャスにして
みました。」

店長がVサインをしながら言った。

「ステキですよ。
店長。」

このステージで決勝大会が繰り広げられるんだ。

「出場する人も、
きっと
喜ぶでしょうね。」

最高の大会にきっとなるだろうな。



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