甘いクスリ
 

「都築、あのさあ・・・」


「なんでしょう?」

この間直した浴衣?
寝巻を探す彼女に声をかける。

「おまえ、俺の事
どう思ってる?」





「はっ?」









いや、確かに
『は?』だわ、な。


俺は・・・何を、どう、
聞き出そうとしてる?


「どう思うって・・・

じゃあ、先生は、私の事
どうにか思ってる?」



どうにかって・・・

また・・・
難しい聞き方
してくれるよなぁ・・・



でも、




「都築と一緒にいると
なんか、自分も
ちゃんとしたヒトに
成れそうな気がする。」


他の誰かとは違うって風に
見てる事は、
認識してほしくて。
きちんと向き合いたいと
思ってる理由を口にしたけど。

「なんか、よくわかんないな
元々、結構、
ちゃんとしたヒトでしょ。先生は。

はい。お風呂、どうぞ?」

ぽんっと、浴衣を受け取って。

・・・失敗したな。
全く伝わんないし。


『素直にいっちゃえば?』
真月の言葉が
いまさらながらに
ごもっともで。


 

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