甘いクスリ
 

七海ちゃんに、
湿布を貼ってもらって
しばらくした頃・・・


同期の営業が、慌ただしく
駆け込んできた。


『都築!!』


その眼は涙ぐんでる風で
うるうるしちゃって
思わず、今朝の眠り姫を
思い出す。


『ゴメン(>_<)俺失敗したっ!
しかも、今から会議でっ
お願い、これ運び屋してくれ』

『えっ?!』

『頼むぅっ(T^T)』

『い・・・いいけど。』

物凄い勢いで
差し替えの資料を
お取り引き様当てに
届ける様に頼み込まれ
断りきれなかった・・・


私は、基本的に八方美人だ。

自分の我や、感情を
誰かにぶつけるなんて
基本的にありえない。

その副産物が、これだ。


無駄に重い資料のお運び。

足を引きずってる分
腰にくる・・・(T^T)


誰かに、感情をぶちまけるとか
やっちゃったとすれば


記憶にあるとすれば



堂野先生に、だ。




しかも、初対面で



かつ、ぶつけたイライラが



鷹尾先生への
想いだったなんてーーー







最悪。







いまさら、どうしろって
ゆうのよ・・・




 

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