甘いクスリ

 
『片想い・・・ですか・・・』



・・・私と、一緒ですね。


『マリは、離婚してから、
イロイロ仕事してたみたい
だけど、酒好きが昂じて
うちにきたんだ。』

いただきますと、小さく言って
グラスを口に運ぶ。

『まさか、昨日は、お客様に
あんな、つまんないこと
言うなんて思わなくてね。

ほんと、ゴメンね。

ちゃんと怒っておいたからね。
彼氏にも、謝っておいて。

また二人できてね。』


マスターが
私の横にかけて
小声で、そういえば


お店の奥から、マリさんが
ヒョコッと顔を覗かせた。

つまんなそうな表情で。

 


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