甘いクスリ
・・・・・俺には、
女難の相が・・・
でているのだろうか?
七海を遥かに凌ぐ
『大魔王』が、とうとう、
ちゃぶ台をひっくり返した。
そう、最近姿を潜めていた
あの人
『姉貴』だ。
午前8時
俺にとっては、早朝だってのに
RRRRRRRR‥‥‥
RRRRRRRR‥‥‥
RRRRRRRR‥‥‥
容赦なく、けたたましく
鳴り響く電話。
寝ぼけて、おぼつかない足取で
携帯電話を取りにいき、
通話ボタンを押せば。
『晴紀、腹はくくったか?』
時節の挨拶は元より、
何の前置きもなく、
開口一番で、本題に入る
あの鬼‥‥いや、姉貴に
ムッとする。
「何の事だよ?」
苛立ちを押さえながら
問い返せば、
『結婚を前提に
おつきあいしてる、
琴子ちゃんの事だよ。
さっさと決めないと、
見合いを、すすめるが?
如何いたす?』
何が『如何いたす?』だ
このヤロー
しかし、このまま怒りを
ぶつけて良い相手では
断じてない。
返り討ちに合うくらいで済めば
まだ、幸せな方で。