甘いクスリ
「姉貴、もう少し待ってよ。
俺だって、言わなきゃって
思ってるから。」
『何を言うって?
この期に及んで。』
「いや、あの‥‥」
突っ込まれ、もはや
言葉が口をつかない。
そういえば‥‥‥
何を言うんだ?
『好きだ』ーーーーとか?
『つきあって』ーーーーとか?
頭の中が空白になった。
『まさか、晴紀、
琴子ちゃんを振り回したり
中途半端な事してないだろね?
そんなんで、
若いお嬢さんの部屋に
出入りしてるとか、ゆうなら
堂野の人間として言語道断だ。
フラフラしてんじゃないよ?』
姉貴の言葉は
もっともで・・・
生返事をして、
唇を噛み締めた。