甘いクスリ
 
「都築さん?どうかした?」

透さんのお陰で、
すっかり緊張感に包まれた私を
仕事の都合で、遅れて
チューニングにきた
せんせ・・っと、
堂野さんが気遣ってくれる。

眉をさげたまま、
透さんとの会話を要約すれば

「あいつら、ホント
何でアマチュアなんだろ?」

そう言って、困った様に笑う。

・・・笑い事ぢゃないくらい
プレッシャーなんだけど(>_<)

「緊張したって、
演奏中の記憶がなくたって
あんだけ練習したんだ、
身体が覚えてるよ。

何かあったら、必ず
俺がフォローするから。な?」

そういってニッコリ
堂野さんは笑う。

「うん・・・」

ほっこりした気分で
笑顔をかえせば

「やーん『な?』だって
キャーだわ初々しい〜」

真月さんが、ニヤケ顔で
堂野さんに視線を向ける。

「!!! 真月ーっ」

バツが悪そうな先生

「ハイハイ。里奈ちゃんには
黙ってるわよ。でも
エロ腺全開にしてたら、
バレちゃうわよ。」

小声でからかう様子は
掌でコロコロ転がされて
もはや、相手にしていない。

「バカ
里奈より、レンのが、
怖いんだよっ」

「ハイハイ。
どっちにも黙ってるって。」

 
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