甘いクスリ
 



「で、何で、来てたんだよ?!」


結局、姉貴に気づいたのが
鷹尾君と真月だけだったから
ヨカッタものの・・・


とんだ恥を曝す事となった
イベントから数日後


実家で、いまだにおさまらない
怒りに、顔面を引き攣らせる俺

「ふん。おろか野郎が。
誰が、中年男(キサマ)
父兄参観など、
参加するモノか。」

反して、余裕の表情で
麦茶の入ったグラスを傾ける鬼
・・いや、姉。

「オマエではなく、
琴子ちゃんを見に行っただけ。」

『コトコ』と言う響きに
俺の膝の上に座った和紀が
反応し、バッと俺を見上げる。

「おりちゃーん、ことこぉー。」

『おじちゃん、琴子ちゃんは?』
とでも、聞きたいのだろうか。

くーっ(萌)
かわいいやつめ。

「お姉ちゃんは、
今日は仕事だよ。
だから、今日は来ないよ。」

そういえば、唇を尖らせ
黙々と目の前のラムネをつまみ
口にいれる。

・・・つまんないのかな。

「和紀、ゴメンな。
また一緒にくるから。」

そういってプニプニした
ほっぺをつまめば、
にこ〜っと、笑顔をみせ
俺にもオヤツをわけてくれる。

マジで、かわいい・・・


早く、子供、欲しいかも。


 
< 186 / 212 >

この作品をシェア

pagetop