甘いクスリ
「それにねぇ。

先生、来た方がいいよ?
知ってたほうがいいよ。」

七海は、にんまり
笑みを浮かべた。


「いったい、何を?」
「琴子さんのお家」


間伐を入れず返した
・・・・根拠は何だ?

その、呆れるほどの
自信に繋がる根拠は?
どのあたりにある?

おっ・・・
俺は

鷹尾二号になるつもりは
ねぇーからなっ


コイツらの掌で
転がされてたまるか


「先生、七海と
取引しない?」


ズルズルと腕を引かれ
駅に向かって連行される中
突如、彼女はいう。


「バーカ。
俺は、お子様と援交なんか、
やんないのっ。」


「何いってんの。
七海だって、オッサンなんか、
頼まれたってやんないって」


くぅっ・・・


ああいえば・・・
こういいやがる・・・


まだまだ・・・

・・・いうほど


オッサンぢゃ
ねぇっ・・・



七海は一方的に
言い分を告げて

「ねっ?先生、考えといて。」

変わらぬ笑顔で
そういった。


「・・・はいはい・・・」



七海の提案した
斬新な・・・内容の・・・
取引に呆れながらも
生返事をした。



なんつーか


乙女チックというか

お子ちゃまというか

高校生の発想というか


ど−やって
想いつくんだか・・・


グイグイと小走りに手を引く
七海に引きずられる様に
都筑の家に連行された。



 

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