甘いクスリ
「えーっ
先生、何で、お酒
飲んじゃうのーっ」
夕飯時にさしかかり、
コンビニ&外食三昧の俺に
手料理を作ってくれる等と
なかなか可愛い事をいう
彼女が
スーパーの袋をカサカサ
あさっている。
その作業を眺めながら、
彼女のよこで、意を決し、
ビールを半ば、
学生の一気並の速さで
飲み干した訳だけど。
琴子の驚きの声が、
案の定・・・。
「帰りは、送ってくれるって、
ゆったじゃないっ
あっもしかして、
電車の予定だった?」
あ〜、なるほどって感じで
自己簡潔する琴子。
そうなのだ。
帰りは、送るとかゆって
掻っ攫って来たんだ・・・
でも、
「・・・今日、帰すなんて
俺、言ってないもん。」
白々しくも口をつく言い訳
始めから、今日
帰すつもりなんて
サラサラない。
意味する所を理解したのか
ポンッと音が出るように
真っ赤になる彼女
可愛いやつめ
悪戯が成功した子供の眼差しで
『カノジョ』を、みつめるの
だった。