甘いクスリ
「おりちゃん!!」
おじちゃん、だろ?
舌の回らない甥っ子が
ヨロヨロ走ってくる。
確か二歳ちょい越えだっけ?
の、姉貴の子供。
くぉ〜っ。かわいいっ・・・
口元が緩む。
広げた腕の中に、
全速力で転がり込むチビを
抱き上げて、居間へ顔をだす。
「姉貴、ただいま。」
「おー。おかえり。
堂野晴紀〜♪」
「何故にフルネーム?」
ものすごく警戒しながら
突っ込んでみる。
「お前のノリノリ映像みて、
抱腹絶倒してたから」
「はあっ?!」
馬鹿でかいテレビの中で
うごめく、
ボリュームの絞られたそれは、
先日、都築が褒めてくれた
プレイだった。
「ちょっ?!
ってか、なんで、音消して
みてんの?!」
「だって、こうやって、
みた方が笑えるじゃん。」
俺の改心の演技で笑うな
「晴紀と反対の端の男、
ノリノリで、めっさ笑えるし。」
確かに、あの鷹尾は
笑える。
真月にみてもらおうって
必死だったんだろう(笑)
「真ん中の男は
トランスしてるし。」
・・・狩野さんまで笑うか。
この芸術オンチめ。
「おっかしぃよねぇ
いや〜下手なコントより
ウケる。」
おー。
そこが、俺と鷹尾の
激ノリ頂点だよ・・・