甘いクスリ

 

フワフワする
不定期な感覚


誰か、髪
触ってる?


何か、
気持ちいい。



クスクス笑う声が
段々、はっきり
してくる。


ここ・・・
どこだっけ?


感覚のするほうへ
思わず目をやれば
チビを抱きあげた都築が
俺の髪を指ですいていた。

「あ、ごめん。寝てた。」

「いいえ。堂野さん
そろそろ時間ですよね?」

いつの間にか、彼女は
乾いた洋服に着替えている。

「あ。ほんとだな。
じゃあ、行くか。」

「ことこぉ。やっ。」

姉貴が都築から
チビを男前に抱きとれば
奴は、慌てて腕を伸ばし
都築のもとに戻ろうとする。


「ス−ゴイなつきようだな。
いつも、俺にペッタリなのに。」

「そりゃ、和紀だって
オトコだっつー事だよ。
琴子ちゃんだって、
本気のオトコのがいいでしょ。」

甥の我が儘なんて、
許しもせず、荷物さながら
肩に担ぎあげ、
姉貴は意味深な一言をはく。

「ええ。でも・・・

私は、堂野さん、

好きですから。」


思わずみつめれば、
都築が、ニッコリと
微笑んだ。



やばい・・・


やっばい・・・




マズイ展開に
なりそうだ・・・・








  

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